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みたもの記録

【舞台】四角い2つのさみしい窓 -ロロ

2月11日 こまばアゴラ劇場

 

お初にお目にかかったロロ。ずっと気にはなっていて、この新作公演の知らせがあってすぐチケットを取った。劇場は、コトリ会議ぶりのこまばアゴラ。今後も足を運ぶことが増えそう。

 

事前に知り得ていた情報のうち、「サブカル要素がつよい」というのが特に印象としてあった、劇団ロロ。今回やっとそれを体験できた。劇中のBGMが「なるほどこれは一定の世代にはエモいわけだ」となった。自分はドンピシャではないのでエモさを肌で感じることは出来なかったけど、なんとなく会場の空気感からしてそう思った。

 

今回の作品について。ナタリーに載っていた三浦さんのことばを引用すると、「(集団の)内側で繰り返される別れと再会」。ある劇団を舞台にした出会いと別れ、複数の関係性がパラレルに展開されていく。かなりテンポよく場面とキャラクターが入れ替わるから、慣れるまでは若干戸惑ったけども、一人が複数のキャラクターを演じる、しかも舞台上で瞬時に切り替わるって演劇的だな〜とおもしろく思えた。同じ役者が、並行する世界(実際は同じ世界なんだけども)の別の人物を演じることで生まれる解釈って、まちがいなくあるものな。今回でいうと、亀島さん演じるサンセビとムオク(だったかな、名前)は、昔劇団にいたムオクに似ている、というサンセビが「自分を劇団に入れてほしい」と懇願するところから物語がはじまる。その後、並行線がいつしか交わり、2人の思いがそれぞれ際立ってくる。他のキャラにしてもそう。個人的には、篠崎さんが演じてた役の声色とセリフの間がツボだった。

 

ボーイミーツガールはわりとすきなはずだけど、感じたのは、「自分はもしかして、小さいコミュニティが舞台となって起きる話は意外と苦手なのか?」ということ。なぜだかは分からない。今回たまたまかもしれないから言い切れないけれど、「集団」に居心地良さをあまり感じたことがないからか?とか。こう書くとちょっと寂しいが…。"集団において結び直されていく関係性"に感情移入はできなかったけれど、出会いと別れが一方通行ではなくて、出会って別れ、また別れて出会う、それが何度も可能なんだ、というのは1つ救われるポイントだなと。

 

あと、これは事前に知らなかったことだけど三浦さんは宮城の方なんですね。今作でも東北を感じる部分があって、そうなのかなとは思ってた。震災に言及しているインタビューとかも探せばあるのかな。東北出身の身としては、やはり、同じく東北をルーツにもつ人がどんな風にふるさとを思って、それを自分に落とし込んでるか、みたいなところが興味ある。そんなわけで、ロロについては今後も動向をチェックして、また見に行きたいな。と思っていたら新作がかかるとの発表!タイミング!ワンシチュエーションの会話劇、たのしみです。