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みたもの記録

飲み込んだ言葉と再び向き合う/BTS「Butter」を聴いて

久しぶりに、気持ちを言葉にして外に出したい、と思った。最近は勢いで文章を書くことがまったく出来なくなっていて、そんな自分を諦めていた。でもやっぱり、書きたくなる瞬間ってあるんだな。

 

BTSの新曲「Butter」について、感じたこと、思ったことを書いてみる。

 

金曜日の午後2時すぎ。ちょうど仕事が重なり、1時間ほど遅れてMVを再生した。ティーザーやメンバービジュアルは確認していたけれど、「何だかすごくおしゃれ」ということ以外、何がくるかは一切予想できず、とにかく見た。

 

youtu.be

 

それはもう、当たり前にかっこよくて、眩しい7人がそこにいた。

(この時点ではまだ泣いてない)

曲はポーンと突き抜けるような爽快さが印象的で、何よりすごく聴きやすいと思った。入りのシンプルさから、こんな真っ直ぐポップなサビが繰り出されるとは。もうちょっとひねくれた感じかと思っていたのに、意外と素直…!(?)

一つ前の楽曲といったら「Life Goes On」になるけれど、これはハッキリと、“Dynamiteの次の曲”としての位置づけなんだな、というのが伝わってきた。全編英語詞というのはもちろん、全体の印象として。でも明らかに、守りではなく新たな攻めのスタイルだし、手加減など微塵もなく、ぎっちりと魅力を詰め込んでくるのがたまらない。涼しい顔でアクセル全開ですからね…最高です。

 

ただ最初は、あまりにもスルッと入ってくる(「バターのようになめらかに」と言ってるくらいだし)耳馴染みの良いメロディだったから余韻には残りづらいかな、と思っていて。で、繰り返し聴いて味わってみたら、いや…むしろ逆かも!となった。

いい意味で“クセがない”おかげで、ストレスなく何度も聴けて、いつのまにかしっかり浸透している、という。音楽の詳しいことはわからないけれど、この「ずっと流れてても気にならない」→「心地よくて、なんだか聴いちゃう」→「いつのまにか覚えてた!」みたいなサイクルは、まさにDynamiteで多くの人が体験済みだろうし、きっとハイブ制作陣の戦略的な何かがあるのかもですね。あとでグローバル記者会見を見よう。

 

と書いたけれど、何も余韻が残らないなんてことはなく。

個人的に好きなところを書くと、「意外に憂いを帯びている」ところがまず一つ。これも、コード進行云々は何も分からないまま言っていますが(笑)、完全にメジャーに振り切ってもいないし、マイナーっぽさが隠されてる感じが良い。Dynamiteは終始、陽の雰囲気をまとっていたけど、Butterをずっと聴いてるとほろ苦さもあって、それはズンズン鳴ってるベースとか、ソロダンス以降にあらわれる金管楽器(サックスかな…?)の渋めの音がそうさせてると踏んでいる。ただ単に陽のエネルギーを発してるだけじゃないところがとても良いな、聴きたくなるポイントだな、と思う。

 

あと、後半の駆け抜け方がすばらしい。後半にいくにつれてテンションがどんどん上がっていく展開。最高です。具体的に言うと、またもやソロダンス。ここの、一気にアクセル踏み込む音の感じと一人ひとりのフリースタイルな動きが絶妙にマッチして、まず一段階ギアが入る。その次、ソロダンスのラストに7人で「Get it,let it roll」に重ねた「wo〜〜〜〜〜 yeah!」の盛り上がりからのユンギラップ→(後ろでho〜!言うてる) →ナムジュンラップ(ここから入る「うーううーううー」のコーラスがまた良い)→「Got ARMY right behind us when say so Let's go(僕たちの後ろにはARMYがいる)」→\ARMYのテンションが上がる/→きた!黄金のサビ!(タレみたいに言うな)→からの!!!!!ホソクさんを中心に据えた完璧な布陣!!!!!!!興奮する。とても興奮するね。ほんとうにここ好きだな。ここだけで好きなポイントいくつも言えそう。あと、髪上げverと髪下ろしverのホソクさんが交互に登場する演出のやばさよ…どちらもビジュアル素晴らしくて目が回る。みんなが楽しそうにいえーい!ってやってるのも、前半からの抑えめなテンションが最後の最後に解き放たれる感じも気持ち良い。バチバチにキメたバンタンの輝きの強さがあってこそ、このラフに楽しんでる感じが際立つし、それで締めるのがニクいよなぁ、分かってるなぁ、と何度見てもニヤけてしまう。

(文章のテンションが違いすぎて、ちょっと恥ずかしいのでツッコミを入れておく) 

 

 

ようやく一週間が終わった金曜夜、ベッドに横になりながら、その日何度目かのMVを再生していたらいつの間にか泣いていた。

自分でも何の涙かは分からない。こわばってた心と体がほぐされて、そこにスッとButterが入り込んで来た。「こんな曲やあんな曲が聴きたい」と、ファンという立場でいくらでも言ってしまうけど、彼らが届けてくれる曲に正解も不正解もない。曲を聴いて、MVを見て、歌詞を読んで、そのメッセージを自分なりに受け取って。あるいは、そのまま何も考えずにただ受け止めて。そんな一連の行動のなかで、私は間違いなく癒やされている。能動的に何かを発するも発さないも一旦はどちらでもよくて、自由に感じればいいんだよな。自分なりの距離感で、誰と比べるとかでなく。と、この週末にButterを何度も何度も聴いて思った。楽曲の解釈だって、きっとファンの数だけあっていい。何を感じたっていい。

 

 

まだまだ書きたいことがある。冒頭で「最近書けない」と綴ったのが笑えてしまう。MVのすきなポイントも、歌詞についてもまだある。言い足りないこと。また思いついたら書きにこよう。