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みたもの記録

2019年みたものまとめ

いつもnoteにまとめてた現場振り返り。今年は舞台をみることが一気に増えたので、ちょっと数え方を変えて「観劇まとめ」として書いてみることにする。回数ではなく演目数で。全部にはコメント出来なそうだけどもなるべく書きます。

さて、年内更新は間に合うか!(書き始め29日)


【1月】
■新春浅草歌舞伎@浅草公会堂
一部
・戻駕色相肩
・義賢最期
・芋掘長者
二部
・寿曽我対面
・番町皿屋敷
・乗合船惠方萬歳

■ナターシャ・ピエール・アンド・ザ・グレートコメット・オブ 1812@東京芸術劇場プレイハウス

〈1月振り返り〉
歌舞伎にハマった流れそのままに、浅草からスタートした2019年。どの演目もすきだけど、芋掘長者が晴れ晴れとしていて良かった。巳之助さんのくるくる変わる表情や踊りも堪能できて、最後はみんな幸せになれる演目。あとは何といっても番町皿屋敷。旗本と腰元という身分違いの悲恋を、隼人さんと種之助さんの2人が演じていて、見応えあった。お菊の散り際の儚さに泣かされたなぁ。この2人でぜひまた見たい!/グレコは、劇場でサントラ買うくらいツボだった。理由は色々あるけれど、ストーリーそっちのけで主人公(芳雄さん)がマトリョーシカしてたり…かなり不思議で面白かった。芳雄さんが歌う「塵と灰」、今年みた作品中の歌唱曲でいちばんすきかもしれない。


【2月】
■Endless SHOCK@帝国劇場

■唐版風の又三郎@シアターコクーン

■世界は一人@東京芸術劇場プレイハウス

■二月大歌舞伎/夜の部
・熊谷陣屋
・當年祝春駒
・名月八幡祭

〈2月振り返り〉
今年のSHOCKについてはいろんなところで書いたから割愛するけども、とにかくシンプルに、「舞台に立ち続けることの奇跡」を噛み締めた。2020は今年の分も出し切ってほしい。/風の又三郎は当日券、立見約3時間。アングラ演劇というものに少し触れた気がする。いま観客が若返ってると話題の唐組紅テント、行かねば。/プレイハウスで世界は一人。去年の百年の秘密(ナイロン100℃)もそうだったけど、人生をなぞっていく物語すきなんだよな。「音楽・前野健太」も良かった。/名月八幡祭。ニザ玉のいちゃいちゃ。からの松緑さんの凄み。すごいものを見た。


【3月】
■Red Hot and COLE@博品館劇場

■トリッパー遊園地@新橋演舞場

■空ばかり見ていた@シアターコクーン

■三月大歌舞伎/夜の部
・盛綱陣屋(幕見)

■Endless SHOCK@帝国劇場

〈3月振り返り〉
Red Hot and COLEは作品とハコ(博品館)がぴったり合っていて良かった!トリッパーは戦争の描き方がしっくりこなくてウーン…となってしまったかな。からの、同日はしごで空ばかり見ていた。初の岩松演出。セリフが難解と聞いていたけど確かに。岩松了の系譜、みたいなワードを今年聞いたのでそのへん深堀りしたい。舞台に漂う空気が独特な作品だった。森田さんの声がとても印象的だった、ということをnoteに書きました。(と言いつつリンクがうまく貼れない)


【4月】
■四月大歌舞伎
昼の部
・平成代名残絵巻
・新版歌祭文
・寿栄藤末廣
・御存 鈴ヶ森

夜の部
・実盛物語
・黒塚
・二人夕霧

■BLUE/ORANGE@DDD青山クロスシアター

■キンキーブーツ@東急シアターオーブ

〈4月振り返り〉
このへんからエンジンがかかり始めた記憶がある。まず歌舞伎座平成代名残絵巻。巳之助×児太郎のW六方!!!!興奮した〜〜〜 イヤホンガイドから流れる「令和を担う世代」という言葉がうれしかった。そして夜の部黒塚、至高だったな…あんな歌舞伎の世界もあるんだ、と魅入ってしまった。/BLUE/ORANGEが個人的にターニングポイントだった気がする。演劇をもっとみたい、と思ったきっかけの一つ。精神科を舞台にした3人芝居。互いの心情の探り合い、緩急の効いたスリリングな展開に引き込まれた。成河さんの言葉に注目し始めたのもブルオレがきっかけ。夜はそのままIMYコンサートへ。こちらも楽しかった〜/忘れられない、キンキーブーツ!チケット取ってから半年待った甲斐があった。いまやるべきミュージカル、いま求められてるテーマなんだろうなと実感。とにかく、客席の盛り上がりがすごい!その熱気を感じられてうれしかった。


【5月】
■オフシアター歌舞伎「女殺油地獄」@寺田倉庫

■木の上の軍隊@紀伊國屋サザンシアター

■CITY@彩の国さいたま芸術劇場

海辺のカフカ@赤坂ACTシアター

赤と黒 サムライ魂@東京国際フォーラム

〈5月振り返り〉
5月も盛りだくさんだった…!何せ、木の上の軍隊(松下さん)と海辺のカフカ(柿澤さん)が立て続けに、しかも二人とも舞台でみるのは初というタイミング。木の上〜もnoteに書いたけど、特に驚いたのは最後の演出。暗転して終わりかと思いきや、暗闇のなかゴーーーッとオスプレイの音がして、あたかも客席の頭上を飛んでいくかのような体験。恐怖だった。目の前でみた芝居は決して遠い過去の話ではなく、現在と地続きなんだということを強烈に突きつけられた、忘れられない体験だった。松下さんの新兵役も素晴らしく、松下洸平という役者を見ていきたいと思った作品。/待ちに待った海辺のカフカ。柿澤さん演じるカラスの一言からスタートするのだけど、まずこのカラスが独特な存在で、主人公の分身。それこそ捉えどころのない役。作品世界に見事に溶け込んでいた。7年関わってきた作品が幕を下ろすということで、柿澤さんの思いもひとしおだったようで。その最後を見られた、間に合って良かったなとつくづく思った。


【6月】
■キネマと恋人@世田谷パブリックシアター

■BACK BEAT@プレイハウス

■新作歌舞伎NARUTO@京都南座

■六月大歌舞伎/三谷かぶき「風雲児たち

国立劇場鑑賞教室「神霊矢口渡」

■オレステイア@新国立劇場中劇場

〈6月振り返り〉
今年みたなかで、誰かにすすめる一本として挙げるならコレ、キネマと恋人。あらためて、ケラ作品の魅力には敵わないな〜好きだな〜と思った。(それなのにドクターホフマン見逃す…)演劇で映画を表現する、作品世界と現実を行ったり来たりするメタ構造に唸った。/BACKBEATはすごく好きな演出がありまして。この話書いたっけか。なんとも美しいシーンだった。戸塚さんは儚くて美しいな…。辰巳くんの弾けっぷりも良かった!/NARUTOは京都南座にて!みのはーのナルサスナルサスのみのはー。きっと今だから出来る作品。だからこそ見る側も力が入る。御園座も楽しみです。/風雲児たち。笑いあり涙あり、シビアな現実もあり、群像劇の良さが詰まった壮大な作品だった。三谷さん、またぜひ歌舞伎座に!/予想以上に好きだったオレステイア。終盤に、自分がみていたものは裁判の再現劇だったことに気づく。これ自体はよくある手法なのかもしれないけれど、それまでイチ観客だった自分が作品の一部になっていた、という体験は興味深かった。今年は意外と法廷劇をよく見たな?


【7月】
■ビビを見た!@KAAT神奈川芸術劇場

■SHOW BOY@シアタークリエ

エリザベート@帝国劇場

■骨と十字架@新国立劇場小劇場

〈7月振り返り〉
舞台に立ってほしいと常々思っていた役者・岡山天音くん。ビビを見た!は彼の芝居、声、身体能力を間近で感じられる(2列目だった)作品だった。絵本の舞台化というのも新鮮。サンプル・松井周さんの作品はまた別のかたちで見てみたい。/SHOW BOYはとにかく楽しかったなぁ。贔屓目でなく、クリエサイズでは収まりきらない作品だなと思った。チャプターごとのタイトルが、それぞれSBのテーマにまつわる映画やミュージカルから引用されていて、特に越岡さんパート「ペーパームーン」がお気に入り。/念願のエリザベートは、古川トート×花總シシィ×育三郎ルキ×京本ルド、芳雄トート×愛希シシィ×成河ルキ×三浦ルドの組み合わせで2度!シシィという自由闊達な少女が、時代の流れに翻弄され、それでも「誰のものでもないこの私は」と突き進む姿にひたすら胸を打たれた。お姫さまの話、ではなかった。ただ重いだけでもなかった。他にも書きたいことたくさんあるんだけど… とりあえず、芳雄トートの破壊力ハンパなかった。来年も楽しみ(まずはチケット…!)/ツイッター上の口コミに動かされて見に行った骨と十字架。だいぶハマってしまい、2回観劇。緻密な会話劇がすきだなと再確認。その中で駆け引きだったり、歩み寄ったり。関係性がじわりと浮かび上がってくるのが良い。衣装も素敵だった。


【8月】
■THE BANK ROBBERY@新国立劇場中劇場

■八月納涼歌舞伎
一部-伽羅先代萩、闇梅百物語
二部-東海道中膝栗毛

〈8月振り返り〉
定期的にはみれていないものの、メタマクから原ちゃんの動向を見守りたくなったおたくはバンロバへ。ど真ん中ではじける原ちゃん、眩しかったな。コメディの間がうますぎない!?あと桜井玲香サーン!れいかは登場すると華やぐ!いくちゃんとはまた違うヒロイン気質だと思った。/八月納涼もすごかった〜!伽羅先代萩中村屋七之助丈、勘太郎、長三郎の兄弟)の活躍を見守った。これを見られたこと、今後もつづく歌舞伎観劇人生の中でも重要なことなのではと思う。やじきたは笑った〜 笑ってたら終わった〜 とろろ地獄はズルい。

【9月】
■愛と哀しみのシャーロック・ホームズ@世田谷パブリックシアター

■秀山祭九月大歌舞伎
昼の部
・極付幡随長兵衛
・お祭り
・沼津

■THE CIRCUS!@新国立劇場中劇場

〈9月振り返り〉
今年はこれを語らずして、という愛と哀しみのシャーロック・ホームズ。ありがたいことに、つい先日WOWOWで放送されて、何度も見られるうれしさを味わってるところです。三谷さんに大抜擢された柿澤さん。彼の演じたシャーロックは、名探偵になる前の未完成なキャラクターとして、丁寧に、実に魅力的につくられてた。寂しがりの強がりなんて、そりゃ皆愛しく思っちゃうでしょう、という。どのシーンも良いけど、特にトランプを当てるシーン。身振り手振り、そして長台詞でシャーロックの思考がどんどん加速していくようすが伝わってきて凄まじかった。アドレナリン半端ない。到底語り尽くせない。続編に期待!/エピソード0がすきだったな、と思い出すなどしたCIRCUSファイナル。越岡さんの演じるキャラクターに「女たらし・チャラい・なんか残念」なイメージがついたのってカルロス以降のような。一定のキャラを得意とするのは武器だけど、ぶち壊す姿も見てみたい。

【10月】
■芸術祭十月大歌舞伎
昼の部
・廓三番叟
・御摂勧進帳
・蜘蛛絲梓弦
・江戸育お祭佐七

スーパー歌舞伎Ⅱ オグリ@新橋演舞場

■暴力の歴史(東京芸術祭2019)@プレイハウス

〈10月振り返り〉
芸術祭は蜘蛛絲梓弦(くものいとあずさのゆみはり)がかなり好みだったなー。黒塚しかり、人非ざるものが出てくる作品てなんでこんなに惹かれるのか。だいすきな大薩摩が入ってたのも興奮ポイント。いやー、思いがけず良かった。/なんとか滑り込めたオグリ!配役は小栗判官猿之助さん、遊行上人が隼人さん。そもそも、スーパー歌舞伎を生でみるのがはじめてで。新作歌舞伎とどう違うんだ?なんて思ってたけどすみません、全然違いました。。エンタメ度が高くて、新感線っぽさある。でもただ派手なだけじゃなく、空間を広くとって役者の芝居だけに集中させる演出もあったり、面白かった。あと照手姫!!!新悟さん、あなたはすごいよ。とにかくすごい。あんなに力強くて可憐なヒロイン見せられたらもう…!!隼人さんは、美坊主もよかったけどやはり小栗判官として照手と結ばれるところが見たかった〜 という欲。ちょっと秋は色々詰め込みすぎたね。

【11月】
■終わりのない@世田谷パブリックシアター

■ダンスオブヴァンパイア@帝国劇場

■放課後の厨房男子@博品館劇場

〈11月振り返り〉
今年みたなかで1位、2位を争うくらい良かった終わりのない。ようやく辿り着いたイキウメ・前川さんの作品。獣の柱を逃してたから、これは是が非でも…!と思い、なんとか当日券で駆け込んだ。「人間は個であり、全体である」というテーマを内包した作品。思いがけず、今年みた作品のいくつかに通底するテーマでもあり、考えさせられた。宇宙に行くし、時空を超えるし、ここだけ読むとSFだけど、壮大なようでいて、個人の物語でもあって。主演の山田裕貴くんはそのナチュラルな佇まいが本当にすばらしかった。新人賞受賞めでたい!/ダンスオブヴァンパイア山口祐一郎様ファンの母の横で、娘は石川禅さんの歌にだいぶ心を持っていかれました… ヘアスプレー行きます/厨房男子!今年イチ、何も考えず手放して楽しめた作品!芸達者が多くて最高!小ネタが過剰でヤバい!いつでも見たい作品。

【12月】
■新作歌舞伎 風の谷のナウシカ@新橋演舞場

■Indigo Tomato@グローブ座

■コトリ会議「セミの空の空」@こまばアゴラ劇場

■ロカビリー☆ジャック@シアタークリエ

■キレイ@シアターコクーン

■タージマハルの衛兵@新国立劇場小劇場

■ワワフラミンゴ「くも行き」@東京芸術劇場シアターイース

〈12月振り返り〉
今月がいちばん観てるという(笑)かなり前からチケット取ってた作品と、突発的に行ったものと。バランスは良かった気がする。では気を取り直して。

ナウシカは開幕して二日目、昼夜通し。まず口上が良かったなー。昼はけんけん、夜は種くん。新作を上演するにあたって、細部に気配りをして創り上げているのが伝わってきた。菊之助さんのナウシカ七之助さんのクシャナ、それぞれの登場で会場が静まったり、逆に湧いたり。皆で目撃している、という不思議な一体感があった。これは新作ならではの空気感だろうなぁ。若手の活躍がすごくて嬉しくなった。/インディゴトマトは再演にて。平間さん、ようやく会えましたね…という気持ち。歌も芝居も素晴らしかった。なんて優しい声で歌うんだろうか。カテコの笑顔にだいぶやられました。ヘアスプレー行きます(2回目)/セミの空の空は、噂に聞いてたコトリ会議という、大阪の劇団がちょうど東京でやってる!ということで駆け込んだやつ。突然セミになったり、指に遺書埋め込んだり、弾き飛ばされたり、なんというかホラーだった。「生きてるものはいないのか」(映画のほう)を思い出した。不条理劇。/ロカビリージャックはもう一回観たかった!!!!12月にぴったりな楽しい作品。歌ウマな方たちが勢揃いして、なんとも贅沢。念願の海宝さん、歌はもちろん、芝居がめちゃくちゃ好みでもう抗えないな……と思いながら劇場を出た。ビルかわいい。音源を出してくれ。/キレイは、これツイッターでも「咀嚼できてない」と書いたけど、相変わらずです。疑問に思うところもなくはなかった。物語云々、演出云々はわからないけど、いくちゃんが歌う「ケガレのテーマ」が鳥肌立つくらい良くて震えたのは間違いなく。最初と最後で歌うとまた違って聴こえて、演劇における歌、ミュージカルにおける歌、その意味を思ったりした。/これ観なきゃ今年は終われないと思っていた、タージマハルの衛兵は濃密な2人芝居。ここでも「個と全(ことぜんというシリーズ)」が大きなテーマになってる。2人の衛兵の背後にあるもの、それは建設中のタージマハルでありながら、権力であり、社会の目でもあり。多少心配してたショッキングなシーンは作品に必要な一部として、むしろしっかり見なきゃと思えた。新国立劇場の挑戦的で意欲的な作品は今後もみていきたい。/今年ラストを飾ったのは、ワワフラミンゴという劇団のくも行き。こちらもコトリ会議同様、面白いという噂を聞いて。たしかに、予想以上!掴みどころのなさがこんなにクセになるもんか、と(笑)シュールなコントをずっと見続けてるような時間だった。ワワフラミンゴ、多分次も行くと思う。



よし!書いた!(31日17:55時点)

一年を一気に振り返って書こうとすると大変だな…というのは知っていたものの結局こうなる。来年(こそ)は、表に出すか出さないかは別にして、ある程度まとまった文章をコンスタントに書かねばと思っているので、こんなんでへこたれてはいけない。

全体ざっと見返すと、今年はミュージカルもストレートプレイもまんべんなく観たいという気持ちが強まって、いろいろ足を運んだなというかんじ。おかげで、まったく予想してなかった出会いとか、自分の好みの傾向とかも分かってきて面白くなってきた。歌舞伎は見逃したものも正直多かったから、来年も無理しない程度に通えたら。「心残りは?」と言われたらたくさんあるけど(笑)強いて言うならえびかいかな…見たかった…


来年もすでに1月フランケンシュタインと新春浅草歌舞伎という、どう考えてもフル稼働しなきゃなスケジュールだけども、一応(一応は…)バランス考えつつ、いろんなところに顔を出しつつ(四季と宝塚は実現させたい)楽しめたら良いな、と。

そういうわけで、今年も一年お世話になりました。良いお年を!